日本進出の可能性は？ 丸紅、インドの電動バイク会社Riverに出資

2024年6月27日、総合商社丸紅グループの傘下企業である丸紅ベンチャーズが、インドで電気オートバイの製造・販売を行う北米企業World of River Limited, Inc.に出資したと発表しました。この投資を通じて、Riverの事業拡大を支援する予定です。

今回の投資は、世界的に進められているカーボンニュートラルの取り組みの一環であり、オートバイ業界においても環境に優しい技術開発が盛んに行われています。特にインド政府は、2030年までに新車二輪車の販売台数の80％を電気オートバイに転換するという目標を掲げており、電気オートバイ市場の成長可能性は非常に高いです。

インドはオートバイの利用率が非常に高い国であり、毎年約1,800万台の新型車が販売されており、人口増加とともに市場規模はさらに拡大すると予想されています。このような状況下で、ガソリンエンジンのオートバイを電気オートバイに転換すれば、CO2排出量削減効果は非常に大きいと予想されており、インド政府はこの分野に大きな期待を寄せています。実際、インドでは2022年から電気オートバイのラインナップが増加し始め、2023年の新車販売台数の約4％（63万台）を占めるほど、市場が急速に成長しています。

Riverは、インドで4番目に大きく、IT産業の中心地であるベンガルール郊外に約1万1,000平方メートルの自社工場を建設し、2023年秋に発売された電気オートバイ「Indie」を生産しています。Indieは、四角形2等辺三角形の独特なデザインと実用性を兼ね備えたモデルで、国内ブランドでいうとホンダPCX160やヤマハX FORCEなど150ccクラスのシティコミューターとほぼ同じ大きさです。6.7kW（9.1ps）/26Nmの出力を持つモーターと4kWh容量のリチウムイオンバッテリーを搭載し、最高速度90km/h、航続距離は161km（インドIDCモード）を誇ります。

今回の投資を通じて、丸紅グループはRiverの事業拡大に必要な資金を支援し、丸紅グループのノウハウとネットワークを活用してRiverの成長を支援する計画です。現時点では、日本での販売や共同開発など具体的な戦略は公表されていませんが、今後の展開が注目される事業です。