2024年上半期（1～6月）に日本を訪れた外国人観光客数は1,777万7,200人と集計されました。これは2019年上半期の最高記録を100万人以上上回る数値です。6月の観光客数は313万5,600人で、前年同月比51.2％増加しました。このようなインバウンド需要の拡大により、日本全国の自治体が宿泊税の導入または既存の宿泊税の増額を検討しています。

宿泊税は、観光振興など特定の目的のために地方自治体が新設できる法定外目的税で、1人1泊の宿泊数に応じて課税されます。東京都をはじめ、大阪府、京都市、金沢市、福岡県など9つの自治体がすでに宿泊税を導入しており、北海道、北海道ニセコ町、静岡県熱海市など30以上の自治体が新たに宿泊税の導入を決定または検討中です。

その中の1つである千葉県では、熊谷俊人知事が「財政的な側面から避けることはできない」と述べ、昨年10月から宿泊税導入研究会を始めました。今年7月の第3回専門家会議では、宿泊税「一律150円」を暫定承認しました。

千葉県観光政策課の立真仁部長は、「新たな観光振興を推進するための必要な財源として45億円を想定しており、昨年県内の宿泊客数約2,800万人を基準に、1人あたり150円の負担で約42億円の税収が見込まれ、目標額の大部分を充当することができます」と説明しました。また、「成田空港拡張により、インバウンド観光客が確実に増加する見込みであり、圏央道延伸により、房総半島で観光客を受け入れる準備が必要です。市町村の努力に対する財源として活用される予定です」と明かしました。

千葉県は宿泊税導入に合わせ、宿泊事業者、市町村、旅行業者を対象にアンケート調査を実施しました。その結果、「例外なくすべての宿泊客に徴収すべき」という意見が56.3％と過半数を占めました。「千葉県が観光客に対して数百円の宿泊税を要求した場合、想定される影響」についての質問には、「影響なし」が52.1％、「千葉県への旅行客が減少する」が11.3％となりました。千葉県内では、県税とは別に浦安市と南房総市も宿泊税の検討に入っています。

「市町村が宿泊税を導入した場合、県税150円に加算されますが、導入時期など市町村との緊密な調整が必要です」と立真仁部長は説明しました。このような場合、自治体によって対応に違いが出ることがあります。例えば、2020年に宿泊税200円を導入した福岡県の場合は、「北九州市は200円、福岡市は宿泊料金2万円未満は1人あたり200円、2万円以上は500円ですが、いずれも政令指定都市のため、そのうちの50円を県に納付しています」と福岡県総務部税務課は説明しました。

東京都をはじめ、宿泊税の値上げを検討する自治体も登場しています。